つい先日のこと、カットオーバー2ヶ月前になって、
「すみません、お客様の要件を満たすために、4ヶ月カットオーバー時期が遅れます」
とのこと。寝耳に水で、えーー!!って感じでした。
同じ部署のメンバーにまかせっきりのプロジェクトだったので、完全に管理責任を問われるのですが、それにしても驚きです。
何をやっているのかわからない
よくよくメンバーから話を聞くと、ここ1か月くらいはベンダーの結合テストフェーズで、ろくにコミュニケーションを取っていなかったらしく、久しぶりに訪問受けたら延期依頼だったとのこと。
確かに追加要件が出て、要件が膨らむというこちら側の問題もあったようなのですが、ベンダー側のテスト状況にも問題があった模様。
ただ、ユーザーとしては、ベンダーのテストフェーズに入るとほぼブラックボックス化していしまい、正直テストが遅れているのか、どうかを把握するのはかなり難しくなります。
真実は公表されない
「そんなの定期的に報告させればいいじゃないか」という声は当然あると思いますし、実際に週次や隔週でテスト進捗の報告はやらせてます。
じゃあ、報告が役に立つかと言えば、ほぼ役に立ちません。
たいていの場合、テストの報告となると、excelで進捗表やグラフがやってきます。ただ、まあ、たいていあてになりませんね。
進捗は報告会直前に、帳尻を合わせている。
改ざんとまではいきませんが、報告会直前に、入れ忘れや、おかしな数値を修正しています。これって結局進捗をろくに管理していないことになります。
例えば、初期に行うテストケースの実績の日付が一日前になっており、「これ昨日ちょうじりあわせでいれただろ」っていうような内容があったりします。
結果を見ても判断がつかない、もしくははぐらかされる
進捗結果を見て、「これ遅れてるんじゃない大丈夫?」とかいったところで、
「このタイプの開発は、最初の段階のテスト消化率が低いので大丈夫です」
とか、
「ここに大きなテストがありまして、これを終了するとかなり進捗が進むので問題ありません」
とか。。。
まあ、テストケースの作り方がおかしいんじゃないの?とか、突っ込んでもうまくはぐらかされるだけです。結局何が真実なのかはユーザーからはわからないというのが実情です。
管理を強化すればOK?
最近では、テスト管理ツールのクラウド版なども出てきているので、こういったツール利用を強制して、日々データを更新させ、こちらでチェックするというのも可能かもしれません。
たとえば、進捗を見ながら、
「このAさん、朝から一つもケース消化できてないんだけど大丈夫?」
みたいな突っ込みがユーザーからできるようになるかもしれません。
また、テスト進捗のデータを共有化することで、プロジェクトサイズ(期間、コスト)、開発タイプ(WEB、クラサバ等)、開発言語といった分類で、統計値が見られれば、
「明らかにこの進捗じゃ遅いよ、この時点で平均80%は消化しているのがふつうだよ」
などという指摘もできるようになるかもしれません。自社だけでなくテストの統計情報を企業間で共有すると多少は役立つかもしれません。
結局何をベンダーに委託しているのか
ただ、これってそもそもはベンダーの仕事で、それ含めて発注していたはずです。ここまでユーザーでやるとなれば、一体ベンダーに何を発注して委託していたのかということになります。
そもそも、PMスキル含めてベンダーに委託していたものが、ベンダーのスキル不足からユーザーが出張っていくと、それはそれで何やっているのかよくわからなくなってきます。
最初に発注した内容はなんだったのか、そこにテスト管理の工数は含めていなかったのか。。。
突き詰めると自社内でPMを育成して、開発スタッフを雇って、自社開発を進める方向に行ってしまうのかもしれません。
でも、これって、1990年代に大手企業が、自社開発用のIT子会社設立して失敗したパターンですよねぇ。
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