中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

ベンダー

国内クラウドを勧められる不幸2

前回からの続きで、国内クラウドを勧められる不幸についてです。 blog.sme-itdept.com 国内クラウドではまる じゃあ日系クラウドの何がダメなんだといえば、まずビジネス的に成り立っていないことでしょう。クラウドなんて設備投資産業です。AWSが世界中でサ…

国内クラウドを勧められる不幸1

企業向けはクラウドは、AWSかAzureのどちらかでもう決まりでしょう。 日系クラウドを選択するのはよっぽどな特殊事情でしょう(経営者が米国嫌い。国家機密を扱っている等)。 最近の料金低下の度合い、サービス展開の速さを見ても圧倒的にAWS、Azureの2社の…

保守のむずかしさ2

さて大手SIerは、「システムまるまる面倒みます」なんて営業をしますが、うまくいったためしはありません。 blog.sme-itdept.com グループ企業一体で 大手のSIerは、複数のグループ子会社を持ち、システム開発や保守など役割を会社ごとに分担しているケース…

保守のむずかしさ1

日本を代表するSIer F社、N社、H社などは、総合的なITサービス提供をうたっています。 ゆりかごから墓場まで 大規模なITシステムを構築する場合は、企画、設計、開発を行い、そしてシステムが稼働したら保守が始まります。 そしてシステムのライフサイクルが…

SIer vs WEB屋 その3 無難なWEBサイトへの回帰

WEB屋が大風呂敷を広げて始まったWEB開発のお話の続きです。 blog.sme-itdept.com SIerの逆襲 さてまずは、WEB屋のデザインをもとにSIerが概算見積りを出すのですが、それでは予算に全くミートしないので、詳細を見直します。 まずは、SIerとWEB屋を集めて、…

SIer vs WEB屋 その2

WEB屋に現場部門が陥落することで、WEBのリニューアルプロジェクトが始まったお話の続きです。 blog.sme-itdept.com ゼロベース思考 WEB屋のプロジェクトは、まずはゼロベース、制約なして、デザインが始まります。UXを云々言いながら、デザインのモック、ワ…

SIer vs WEB屋 その1

中堅企業でも時には、数億円かけてECサイトを作ることがあります。 あまりいけていないECサイトができるまで うちのような中小企業に毛の生えた程度の会社では、ITシステムの開発を内製化するほど人は抱えられません。特にWEB関連ではスキルがすぐ陳腐化して…

眠るな営業!

システム開発では多くのミーティングが発生します。その際、ベンダーからは多数のメンバーが参加します。システムが大きくなればなるほど、分業化が進み、各領域ごとに担当が割り振られ、ミーティングは総勢十数人になることもあります。 様々な関係者が参加…

Apple Payはダレトク?

Apple Payがサービス開始したそうで盛り上げってますが、どんどん決済手段増やして一体ダレトクなのかという話です。 www.apple.com 利用者はより便利に 言うまでもなくApple Payのおかげで、ユーザーは便利になります。ばらばらだったカードがひとつに、よ…

図書館システムの統一化

日経ビジネスにカリールという会社が紹介されていました。 calil.jp 全国の図書館の蔵書が検索できるサイトです。 部分最適の行政システム 前にも書きましたが、行政の作るシステムは、大半が部分最適で、どうにもならないシステムです。そもそも予算が地方…

悪意に満ちたベンダー保守

ユーザーIT部門は、日々ITベンダーと熾烈なコスト争いを演じています。通常は、開発費で戦うのですが、最近はベンダーも勝手知ったるもので、開発費ではゆずって別のところで回収をはかります。 最近目立つのは、ソフトウェアの保守費用です。 上がり続ける…

いつも余裕な大手SE

最近大手のベンダー企業の若手SEと仕事をする機会があったのですが、まあ、昔とは変わったものです。 対等な立場 彼らの意識のベースは、「対等な立場」です。 クライアントであろうとへつらわない、仕事では対等な立場、そういった考えがにじみ出ています。…

ゆとり世代のSE

先日、現場でPOSシステムを導入していたところトラぶった際のお話。 だべるゆとりSE 深夜2時、システムがうまく連携データを出せずトラぶり、当然我々では対処できないので、現場にいた若手SEに対応をお願いすることになりました。 「承知しました。本社のチ…

13万人の営業のコストは誰が負担するのか

日立が2万人の営業をコンサルタントにするという記事。 www.nikkei.com 営業人員を2万人増やす。13万人の営業人員を活用し、従来の機器・設備販売から、AI(人工知能)やビッグデータ解析などの先端技術を駆使したコンサルティング型サービスの提供に経営…

やっぱり保守が好き

1980年代後半にやっぱり猫が好きというドラマがありましたが、それとは全く無関係なITベンダーとユーザー企業の関係のお話。 もぬけの殻になるユーザー企業IT部門 ユーザー企業のIT部門は、ここ20年くらいで急速にアウトソースが進みました。かつては、自社…

今年もまたご挨拶シーズンが到来

日本国内は3月決算の会社が多く、4月から新年度が始まる会社が大半です。新年度には組織変更も行われ、付き合いのあったベンダー企業も部長や役員が変わったりします。 組織変更のご挨拶 組織変更があると、ベンダー営業からくるのは、 組織変更がありました…

対称でない契約

前回から続く、ベンダーとの契約に納得がいかない件です。 超過費用は払うが、早く終わっても戻ってこない ベンダーと準委任契約(成果物の完成が要求されない契約、要件定義フェーズとかがこの契約になることが多い)で、良く見かけるのが、 「予定の作業時…

平等でない契約

最近のベンダーがだしてくる契約書がひどいという話。 契約を真逆にしてくるベンダー 最近、ベンダーの方々は契約で有利な条件を結ぶように社内法務から言われているらしく、契約書が良く書き換わってます。 営業から「前回と同じ契約内容になっておりますの…

ものを知らないスタートアップと変われないレガシーベンダー2

前回は、 blog.sme-itdept.com ものを知らないスタートアップが、勢い勇んで営業にきて困るという件でした。ただ、スタートアップの若い方々は一回教えると学習するのですが、もっと問題なのは体が大きすぎて、変われないレガシーベンダーです。 変わらない…

ものを知らないスタートアップと変われないレガシーベンダー1

最近、社内のWEBマーケターの方々からよくクレームを頂きます。 WEBの改修には金がかかる? それなりの規模のWEB販売システムを改修しようとすると、軽く数百万円は飛んでいきます。WEBのフローの改善、販売方法の変更、ときにはデザインの変更ですら、サー…

保守費はどこに

ITシステムを開発すると付いてくるのが保守です。基本、ユーザー企業は開発したソフトウェアの保守なんかできませんので、ベンダーに任せることになります。(海外は違うらしいのですが。) 不透明化する保守費 保守費は年々不透明になってきます。以前だと…

文章で成功は決まるか?

以前も書きましたが、最近!のメールが増えてます。特にIT系のベンチャーでその傾向が強く、どれだけびっくりなんだとか思ってしまいます。 びっくりベンチャー ちょっと暇なときに、とあるベンチャー企業のメールをまじまじと見てみたのですが、総文字数:1…

IT部門の年末年始

今年は、年末年始は9連休!というようなことはなく、暦の上では休みですが、実際は年末年始休まず営業中という状況でした。 年末年始は大忙し うちの会社も一部BtoCの小売りチャネルを持っており、BtoBが休むのとは、逆に稼ぎ時です。 当然、小売りチャネル…

テストフェーズ、真実は闇の中

つい先日のこと、カットオーバー2ヶ月前になって、 「すみません、お客様の要件を満たすために、4ヶ月カットオーバー時期が遅れます」 とのこと。寝耳に水で、えーー!!って感じでした。 同じ部署のメンバーにまかせっきりのプロジェクトだったので、完全…

ベンダーからの値上げ圧力

世の中ではSE,ベンダー側がかなり売り手市場になっている話を紹介しました。 <a href="http://blog.sme-itdept.com/entry/2014/10/05/%E8%B6%85%E5%A3%B2%E3%82%8A%E6%89%8B%E5%B8%82%E5%A0%B4" data-mce-href="http://blog.sme-itdep…

超売り手市場

ITベンダーは、最近儲かっているようで、買い手のユーザー企業から見ると超売り手市場です。 ITベンダーからの値上げ圧力は、日に日に強まるわけですが、ITベンダー自身も人員確保が大変なようです。 IT分野の派遣「月収100万円」でも集まらず IT分野の…

ひそかに忍び寄るベンダー接待

IT部門はベンダーとついつい密接になってくるんですが、個人的には極力距離をおきたいと、いつも思ってます。あまり密になって最後の最後で、価格交渉が弱くなったりするとそれは会社に対してマイナスなので。 例えば、接待関係は極力断るようにしており、飲…

開発に向くSE、保守に向くSE

うちの会社だけかもしれませんが、ソフトウェアの開発はふつうのウォーターフォールでやることが大半です。アジャイルやらスクラムやらとは縁遠い開発をしています。 こういった開発だと、「はい、ここまでが開発」、「この後は保守フェーズ」というように明…

アンカリングされる見積り

ベンダーから提示される見積りについて少々。 ユーザー企業システム部門の一番大きな仕事は、やはりベンダーとの交渉だと思います。 特に、価格交渉はタフな仕事で、ただ安くすればよいというわけでなく質も良く、価格も適正なところで、まとめることが重要…

ベンダーにだまされる人、だまされない人

ベンダーからユーザ―企業に来てみると、現場の方々が、だまされるというとなんですが、いいくるめられていることが多々あります。 自分もITベンダーにいた時は、ユーザーの理不尽さによく頭に来てたのですが、いざユーザー企業に来てみると、逆にITベンダー…

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