中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

ベンダーにだまされる人、だまされない人

 ベンダーからユーザ―企業に来てみると、現場の方々が、だまされるというとなんですが、いいくるめられていることが多々あります。

 

 自分もITベンダーにいた時は、ユーザーの理不尽さによく頭に来てたのですが、いざユーザー企業に来てみると、逆にITベンダーの理不尽さを感じることが多々あります。

 

 ユーザー企業間は結構仲が良かったりするので、いろいろと情報共有できするのですが、結構ひどい話があります。

 

 たとえば、請負契約で発注しているシステムがろくに動かないのに、検収時期がくると検収を要求され、さらに「費用をいただかないとSEの稼働がとれないので」とか言われ、追加作業費用を求められる。で、結局システム動かずお金が戻ってこない、 などというケースもあります。

 

 本来であれば、システムが動いていないなら請負であれば検収する必要はないのですが、業界の慣習とか、動くまでさらに費用が必要などという理由で、よくわからないユーザーは丸め込まれるケースも結構見受けられます。

 

 確かに、動かない理由が、ユーザー側の要件の増加にあったりはするのですが、それはお互いのPMの問題です。ただそれであっても、動かないシステムを検収するのはいかがなものかというところです。

 

 で、いろいろと理不尽なことはあるのですが、そういった理不尽さにいいくるめられる人と、そうでない人がいます。その差は、すごく単純で疑問を追究しておれない人です。

 

 たとえば、「なぜうごいていないの検収しなければならないんですか?」という疑問を徹底して持ちます。当然ベンダーにはその疑問を投げますが、そこでは止まらず、法務部といった専門部署や、社内の部署で同様の業務を発注している部門(建築・建設など)に話を確認しに行きます。

 

 そして、そういった情報を総合して、おかしいとなれば徹底してひきません。法的には要件を満たしていないのに検収する必要もありませんし、他業界でもこんな状況で検収しないのは当たり前のことです。

 

 純粋におかしいということをおかしいと言い続ける姿勢が、ベンダーにだまされない人にはあります。

 

 こういった人と一緒に働くと、ベンダーとして当たり前だと思っていたことが、ユーザーから見るといかに当たり前でなかったか。気づかされることが多々あります。

 

 たとえば、システム開発していると帳票1種類追加で100万円などというコストが出ることもあります。

 

 ベンダーからすると当たり前のコストかもしれません。大規模システムでは、裏では、項目追加によるDB変更それによる影響範囲の再テストとうとうあり、見えるところの改修だけではないので、しかたないケースも多々あります。

 

 でも、ユーザーかりみるとどうでしょう。エクセルならたぶん30分くらいで作れそうです。データもシステムから出たものを加工すれば行けそうです。なのに100万円、一人月もかかるのか?ってことになります。

 

 そういった際にも、だまされない人はおかしいと考え、「なぜなぜ分析」を始めます。「なぜお金がかかるのか」、「なぜその作業が必要なのか」等々、徹底して追求してきます。

 

 当然ITの細かいことはわかりませんが、それでも大枠は理解します。最終的に、理解して納得してもらえることも多々ありますし、もしくは、ベンダー側が過剰にとっているのを気づいて値下げしてきたりします。最終的には互いに納得度が高いところに落ち着くことができます。

 

 逆に一番たちが悪いのは、なんでもかんでもいちゃもんをつけて、「細かいことはわかんないけど、高いからまけて」と八百屋で大根を値切るのと同様にゴリ押しするタイプで、このタイプは金額的、値下げを押し込んで満足していますが、結局プロジェクトが火を噴くケースが多々あります。

 

 まあ、だまされない人のタイプは、結局はITプロジェクトだけでなく他でもうまくやっているので、単純に仕事ができる人かもしれませんが。

 

 ベンダーの常識はユーザーの非常識ということもありますので、ベンダーのみなさんもお気を付けください。

 

 

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