日経ビジネスにカリールという会社が紹介されていました。
全国の図書館の蔵書が検索できるサイトです。
部分最適の行政システム
前にも書きましたが、行政の作るシステムは、大半が部分最適で、どうにもならないシステムです。そもそも予算が地方自自体にばら撒かれるので、もらったお金を使って、自分の管轄地域のみがよければそれでOKというシステムが作られます。
問題なのは、どこの地域でもシステムに対する需要はたいてい変わらないことです。図書館なんか全国どこにもあるわけです。しかしながらシステムは別々で、個別投資で、バカみたいに税金が注ぎ込まれてます。
図書館のヘビーユーザーとしては、今の図書館システムはほんとに使いにくいのです。
例えば、ある本を探しているときに、自分の住んでいる地域Aと会社のある地域Bの両方の図書館を別々に検索する必要があります。しかも別のインターフェイスで、別のユーザー登録が必要です。
このカリールは、検索したい図書館を事前登録しておけば、対象の図書館を一括で検索してくれます。一応、予約ボタンもありますが、これはまだ予約のページに飛ぶだけです。カリール上で完結できるようになれば大変便利ですが、それはもう少し先のようです。
カリールは、検索サービスを提供しているだけなく、クラウドで図書館向けのシステムも作っているようで、京都府などすでにいくつかの自治体で導入されているそうです。目標は全国制覇とか。
政府関係システムはベンダーのロビー活動のたまもの?
ちなみに、どこの大手SIerの組織を見ても、官公庁、ガバメントなんて部署が存在します。国や地方自治体からのお金は、SIerにとって生命線です。
SIerにしてみれば、行政機関の素人相手に高いシステムが売りつけるので楽な商売です。しかも統一など考えなければ、地方A、地方Bと同じシステムをどんどん売り込めるわけです。
そうなると、非効率なシステム開発を続けることが、大手SIerにとっては一番儲かることになります。同じシステムをリスク低く、しかも同じくらいの価格で売れればいうことありません。(ちなみに政府系プロジェクトばかりで育ったSEは民間企業企業のクライアントにつくと苦労します。)
地方自治体がダメなら国に任せればよいかというととそれも疑問です。
ARなんかひどいことになってます。全国各地でどうにもならないARアプリが大量に作られてます。もうポケモンGOを共通基盤にしてしまえば良いのではと思ってしまいます。
しかし、政府機関が非効率なシステムを作り、カリールのような民間企業が効率化するというのも少し変な感じではあります。
でもまあ、図書館がより効率的になることを一利用者として期待しています。
(大前研一氏の書籍にも出てきますが、エストニアがかなり先進的らしいです。)
未来型国家エストニアの挑戦 電子政府がひらく世界 (NextPublishing)
- 作者: ラウルアリキヴィ,前田陽二
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