週間ダイヤモンドのAI特集では、AIによって消える職種というのが掲載されています。
士業が狙われる
2015年にオックスフォード大学が発表した消える職種。
こちらの職種機械化代替率を再計算してまとめたのが今回の記事です。
その中では、機械化代替率が高く、平均年収も高い職種が狙われると述べており、公認会計士、税理士、不動産鑑定士などの士業が狙われると言われています。
確かに、会計監査などはすでにビックデータの世界に入っているようで、すべての経理データを渡すと独自の分析ツールで、リスクの高いところを発見するなどもされているようです。
以前のように伝票を人が見て、怪しいところを経験と勘で調べていくなどというのは、過去の産物になりつつあるようです。
そりゃ大手監査法人は、「長年の経験が必要です。AIと人と両方で」など言って雇用を維持しようとするかもしれませんが、どうせ中小監査法人が、安くて質の高い自動化監査などを行ってきたらあっという間に価格は下がっていくでしょう。
士業というのは、完全に既得権益で食っているビジネスですが、それでも士業になるためには、かなりの労力と時間をかけてなるわけで、それがAIが入ってくることで、職がなくなるもしくは、年収が減るとなると、費用対効果に見合わなくなります。
このままいくと受験生も減ると思われますし、また一方で、今のような細かい知識まで要求する試験が必要かも怪しくなります。もしかすると将来的には、単純なツールの使い方を覚える検定試験になるかもしれません。MOSみたいなものですね。
労働力不足という視点からもAIに置き換わる
士業は、「コンピューターでやれんのに、高い人に頼みたくない」というビジネスニーズからAI化が進みそうですが、一方で、「そもそも人が足りない!」という必要に迫られて、AI化が進む領域もあるようです。
今回の特集で出ていたのは、貨物運転手、他に分類されない保安(点検員)、警備員、ソフトウェア開発技術者などが上位に入っています。
運転は自動運転代替する日がいずれくるでしょう。ソフトウェア開発についてもちょっと開発ができる程度ならあっという間にツールに代替されるのではないかと。
移民が先かAIが先か
さて、この先日本の人口が減少していくのは自明で、2050年には一億人を割るとも言われています。
また高齢者比率は25%を超えており、すでに4人に1人が65歳以上です。
統計局ホームページ/平成25年/統計トピックスNo.72 統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)−「敬老の日」にちなんで−/I 高齢者の人口
こういったなか、労働人口が減少し、その不足を補うため移民の受け入れをという声もあります。移民・難民ともに日本の受け入れ数は、先進諸国の中で圧倒的に少ないそうです。
移民の受け入れで介護や店舗のサービスなどの労働者不足を補うという議論もあります。
今現在、確かにAIでの介護や対面サービスというのは、まだ実用化には至ってませんが、これもすぐに部分的に人の代替サービスがでてくるかと思います。
そうなると、労働人口不足も解決し、移民議論もなくなるかもしれません。日本がお得意の先延ばしにしてたら、なんとなく問題が解決しちゃった的な。まあ、超楽観シナリオですが。
さて、労働人口の不足やAIの心配する前に、どの領域で食っていくのか、IT関係者も真剣に考えないといけない時期がきているようです。
(理系の人が、念のためかじっておくには良い本です。)
(お話として理解しやすいのはこちら)
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)
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