Apple Payがサービス開始したそうで盛り上げってますが、どんどん決済手段増やして一体ダレトクなのかという話です。
利用者はより便利に
言うまでもなくApple Payのおかげで、ユーザーは便利になります。
ばらばらだったカードがひとつに、より決済が楽になるので大変便利です。しかも特に手数料がかかる分けではありません。iPhone7にすればオッケーです。
決済会社・代行会社は手数料収入も増加します
そしてカード会社やSuica等の運営会社も決済トランザクションの量が増えれば手数料収入が増えます。
また、トランザクションが増えてデータが増えれば、データの価値が増すでしょう。分析して販促に利用するもよし、分析結果を外販するもよし、使い道はいくらでもあります。
さらに、カード会社等の決済会社と小売店のシステムをつなぐ決済代行会社(GMO系、ソフトバンク系等)も、トランザクション量に応じて課金することが主ですので、手数料収入が増加するでしょう。
ITベンダーはもうけもの
これらの決済に対応するために当然ITのシステムの改修が必要になります。例えば、決済会社がApple Payに対応するためのシステム改修や、決済会社と代行会社間の改修、さらには店頭の読み取り機の改修なども必要になります。
Apple Payは、既存の決済手段をまとめているので、大きな改修ではないと思いますが、それでも多少のシステム改修は必要です。
この改修コストは、決済会社、代行会社が負担して、ITベンダーに流れていきます。ITベンダーもそれなりに儲けがでるはずです。(力関係でITベンダーに負担させるケースもあるようですが。。。)
改修費は誰が出している?
Apple Pay導入の費用は誰が出しているのか。それは、決済会社、代行会社、そしてときにITベンダーです。
でもそれは、一時的な負担です。最終的に誰が負担するのか。それは最終顧客と接する小売店です。小売店での決済手数料で徐々に補てんされることになります。
小売店を利用する顧客は、どの決済手段を使おうと支払金額は一定です(夜の飲み屋とかは別ですが)。ユニクロでカード決済するのにカード決済手数料を取られたりはしません。
手数料は、小売店が負担します。小売店は、手数料だけでなく、店舗のシステムの改修、ECサイトの改修などが迫られその費用も負担します。
更に改修してサービスが向上し、顧客が増えれば増えるほど、手数料はかさんでいきます。
いままで現金決済なら売値の100%が自社の売り上げになっていたものが、数%という手数料分削られることになります。もともと利益率が数%の小売業にとってはつらい出費です。
自社で決済会社まで持っているイオンやセブン&アイなどなら、手数料など支払わないのかもしれません。また、小売業でも大手であれば、各種手数料の割引や、決済会社による初期投資コストの負担などがあるかもしれませんが、中堅・中小はそのような優遇は望めません。
新しい決済手段に対応しなければ客足は遠のき、対応すればしたで利益率が下がるという、厳しい選択を迫られることになります。
決済会社、決済代行会社からApple Payが増える今日この頃です。ITベンダーはそれを横目で見ながら、手ぐすね引いて待っています。
Apple Payが始まって、全然うれしくない今日この頃です。
(決済インフラは複雑です。どこにお金が落ちていくのやら)