中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

新しい働き方、二つの選択肢 その②

 前回紹介した「クラウドソーシングでビジネスはこう変わる」の続きです。

 

 この本は、基本クラウドソーシング押しではあるのですが、クラウドソーシング=フリーランスの時代とは述べておらず、会社勤めとフリーランスを選択できる、より柔軟な働き方ができる社会が訪れると述べています。

  本書では、

「組織に長期的に雇用される正社員」という形態がなくなるとは考えていない。働く人が、一部の経営者とその他大勢のフリーランスによって構成されるようになるとも考えていない。

(正社員とフリーランスについて)この二つはどちらが正しいというわけでもなく、どちらが優れているというわけでもない。結局のところどちらを選ぶかの問題だ。

こうした二つに生き方の価値が等しくなっていくという点だ。(中略)自分がどのようにして働き、どのようにして生きたいのかを考え、より自分に合ったワークスタイルを選ぶというのがこれからの仕事のあり方だ。

 さて、ようやく本題ですが、この書籍は、ある単一の働き方を進めているわけではなく、二つの選択肢がワーカーにもたらされると言っています。

 

 確かに、会社勤めをしていて、一時的にフリーランスになるのは大変魅力的です。

 

 例えば、すぐ思いつくのは一時的に時間が必要な場合。子育てや、親の介護などが必要な場合、会社勤めでは対応できなかったりします。こういう時に一時的に時間の融通が利く、フリーランスになるというのはありかもしれません。そうしてひと段落したら、また会社勤めをするとか。

 

 また、フリーランスになることで、スキルチェンジもできるかもしれません。

 IT部門にいると年を取るにつれ、マネジメント職として働くことが要求されます。特に中小ユーザー企業には、技術専門のフェロー職があることは少なく、どんどん技術から離れ、人の管理が中心になっていきます。

 もし、ソフトウェア開発など技術的な方向に戻りたいとしても、社内では、給料の高い年寄りにそんな仕事をさせることはできません。

 一方で、他社に転職するにしても、下手したら20代の新卒よりもスキルが劣るかもしれないおじさんを技術職で雇ったりはしません。

 そういった中、新たなスキルを身につけるべく一旦フリーランスに転じて、仕事を始めるというのもありかもしれません。特にクラウドソーシングでは年齢も関係ないので、何歳であろうといちからスタートすることができます。

 ただし、そう簡単に仕事を受注できるわけもなく、最初はタダ同然で受注しなければならず、収入は大幅に落ち込むかもしれません。それでも、うまくスキルアップしていければ、収入も向上する可能性はあります。

 また、将来的にスキルが上がれば、どこかの会社で技術職で働くことが可能になるかもしれません。

 

  こういった魅力のあるクラウドソーシングですが、いったん会社を辞めてフリーランスになった人が、再び会社勤めに戻れるかといえば、かなりそこには疑問があります。トップマネジメント層や高度専門職は可能かもしれませんが、そうでないと難しいのではないかと。特に、一般的な事務職や中間管理職は厳しいのかもしれません。

 採用する側としても、中途半端な空白のある人材を社員登用するのは勇気がいります。

 また新卒で就職せず、フリーランスをやっていたケースなどはさらに難しいかと思います。30歳過ぎまでフリーランスで、始めて会社勤めとかなると、会社勤めの最低限のマナーやスキルなどそういったものが身についていない可能性があるので、なかなか採用側としては難しいものがあります。

 

 まあ、現実は厳しいかもしれませんが。。。

人生のある時期に会社員であり、ある記事にはフリーランスで、さらに再び会社員になるという生き方があってもいい。それを可能にするのがクラウドソーシングだ。

 

 会社を今日辞めても、クラウドソーシングで食っていける世界がくることを期待して、しばらくは会社勤めを続けましょうかね。
 

 

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