中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

単純作業を集めて有効活用する

 前回の高齢者再雇用の話も含め、今後スキルの高くない人の雇用も進む可能性もでてくるかと思います。その際に、何か単純・簡単な作業を行って、有効活用できないかと。

Human Based Computing

 Human Based Computingという分野があります。

 これは、コンピューターが行っていたもしくは、行おうとしていた、一連のプロセスのうちの、一部を人間アウトソースするという考え方です。普通は、人のやっていることをコンピューターにやらせるというのが通常なのですが、逆にコンピューターが苦手なことを、人にアウトソースします。

 

 例えば、画像認識や、音声認識などが良く対象になります。こういった分野は技術進歩が進んでおり、日々精度は向上しています。例えば、音声認識では、Siriなんかもかなりまともに認識するようになってきました。

 

 しかしながら、それでもまだまだ人間には及びません。人間ならいとも簡単に認識できる音声も、コンピュータでは技術を駆使してようやくといったところです。画像認識に至っては、まだまだ人間の認識力にはかないません。

 

 そこで、人間の得意な作業は人間にやらせて、コンピューターの得意な作業は、コンピューターにやらせる。それらを組み合わせることで、なにかアウトプットを得ようという考え方が、Human Based Computingです。


ルイスフォンアーン氏

 この分野の有名人(らしい)のが、このルイスフォンアーン准教授です。


ルイス・フォン・アーン 「ネットを使った大規模共同作業」 - YouTube

 

 この方、reCAPTCHAというサービスの設立者の一人でもあります。

 

 reCAPTCHAは、FBとかの認証時にでてくるあの読みにくい文字を入力させるやつです。この動画によると、FB等の認証時に出てくる読みにくい文字列は、あれを入力することで、本の電子化に協力していることのことです。

 

 認証にでてくる文字は、紙の書籍をOCRで読み取ろうとして、失敗した文字列です。コンピューターでは読めなかったのですが、人間では比較的容易に読める文字列であり、我々は文字列を読み取り入力するという、ちょっとした単純作業を行うことで、書籍の電子化に協力していることになります。


 ちなみに、この文字列の入力作業は、同一のものが複数の人に割り振られており、複数人が同じ内容を入力していれば、恐らく正しいであろうという考え方に基づき利用されています。人間が入力した文字列(デジタル化されている)のマッチングはコンピュータが行います。認識・入力作業は人間が行い、そのマッチング作業はコンピュータが行っています。

 この場合、人間は、紙の書籍化の一部のプロセスを、アウトソースされていることになります。

 

 さて、このように単純作業も有効活用すれば価値がでるのですが、いろいろと問題があります。。。

 

 (クラウドソーシングのマイクロタスクに分類されることもあります。)

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