中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

スキルより場所

 O'reillyが、データサイエンティストの給与に関するリサーチレポート"Data Science Salary Survey"を発表しています。無料でダウンロードできます。

 

  こちらの調査は800人を超える世界中のデータサイエンティストに給与についてのアンケートを行った結果です。

 アンケートでは、スキル、所在地、年代といった情報と給与を聞いており、どういった項目が給与に影響するかを回帰分析しています。

  

Hadoopは儲かる?

 こちらに一部まとめがありますが、

Want to make data scientist money? Learn data science tools — Tech News and Analysis

 Hadoopユーザーは 給与の中央値が$118kに対し、RDBMSユーザーとでは$88kと、30%を超える差が生じています。

 また、HadoopとRDBMSを両方使うユーザーは、$122kと最も高くなっています。まあ当たり前と言えば、当たり前ですが。

  

どの技術に乗るか

 給与をあげるという意味では、どの技術に乗るかというのは大きな問題です。

 

 HadoopかRDBMSか?、RかSPSSか?、C++かJAVAか?等々、こういった技術の選択は大きく給与に関係してきます。

 

 また、単に技術的なツールだけでなく、学問的な領域もはやりすたりがあります。例えば、機械学習なんかは、今でこそ花形ですが、20年くらい前は、「何それ?」という世界でした。

 機械学習はまさに、ビックデータによって評価が急激に上がってきている分野です。

 

 重要なのは、ツールレベルの短期的な視点と、より根本的で長期的な理論学習の視点、両面で先を見据えることが重要です。なんて、それっぽいことを言いたいのですが。。。

  

でも実はそんなことはどうでもいい

 この調査の面白い結果の一つとして、場所と給与というのがあります。

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("Data Science Salary Survey", Figure 1-4. Country/continent)

 

 こちらによると、USで働く人の給与の中央値が$120k弱あるのに対して、ヨーロッパはおおよそ半額の$63k、さらにアジアでは$42kと大きく差がついています。

  US内でも California ($139k), Texas ($126k), the Northwest ($115k), the Northeast ($111k), とばらつきがあります。

 

 本調査の最後に回帰分析をしていますが、これら場所がもたらす給与への影響は、ツールよりも大きかったりします。

 そりゃ、給与の高いところで働く人は、もともとスキルが高いのかもしれませんが、それでも結構な差があります。

 

 場所・時間を超えない職種

 ITの進歩により、場所や時間を超えて働くことが可能になっており、コモディティー化・標準化された仕事は、グローバルでその仕事が実施され、価格も単一に収束していきます。

 例えば、手書き書類をPCに入力してデジタル化するような作業は、かつては手書き書類のある場所にいて、実際の紙を見て端末に向かって入力したていました。

 しかし、今では、手書き書類をpdfにしてメールで送れば、地球の裏側でも実施が可能です。

 

 実際にこういった単純作業は発展途上国の低コストな人材に発注されており、アジア圏の人材が時給数ドルで請け負っていたりします。今話題のクラウドソーシングの一部はまさにこれです。特にコモディティー化しやすい仕事は、価格競争に陥り低価格に収束していくことになります。

 

 一方で、データサイエンティストのような複雑な仕事は、なかなかそうはならないのかもしれません。まだ、需要がある場所で働くことが必要なようです。どんなアウトプットをどうやって出せばよいのか、あまり標準化されていない職業なので、密のコミュニケーションが必要なのかもしれません。

 

 こういった職については、それぞれの地域で、需給のバランスが崩れるので、働く場所によって、給与が変わってきます。今回の結果も場所による需給バランスが反映した結果かとも思います。

 

 要するに、需要のあるところにさっといって、仕事するのが一番儲かるはずです。そう、英語さえできれば。。。 

  

 ということで、結局英語ですね。なんかよくわからない結論でした。

 

 (単語しっかりやり直すと、英語ニュースが結構聞き取れるようになります。)

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 (データサイエンティストのスキルをざっと眺めたいかたはこちら)

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