前回予算の話をしました、IT予算の件について。
コストと認識されると削減対象になる
一般にある費用が「コスト」と認識されると、それは、削減対象となり、削減することが善となってしまいます。IT予算も一旦コストと認識されると、毎年XX%削減的な、削減目標の対象に入ってしまいます。
一方で、その費用に紐づく売上が明確に定義できれば、投資とみなされ、毎年削減要求なんてことはなくなります。
ただ、かつての電卓がPCに変わった時代のように、単純にIT投資すれば、人件費が削減できるなどということはなく、ITの投資とその効果の因果関係を証明するのは難しくなってきています。
(こちらにもちょっと書きましたが)
かくして、うちのようなIT依存度の低い会社では、あっという間にIT費用はコストとして認識されるようになってきます。そうなってしまうと、コスト削減は戦略ですらなく、息をするのと同様に、当然の企業活動になってしまいます。
(これに書いてあったような。。。)
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ITトレンドの第3世代
さて、一方で、海外のトレンドを見るとIT予算の増加、積極投資がトレンドのようです。
こちらの記事によると、コンピュータの世界には、3つの大きな波、世代があり、今まさに第3世代に入ってきていると行っています。
第1世代は、コンピューター誕生の初期の時代で、メインフレームやターミナルが活躍した時期。第2世代は、いまから25年くらい前のPCやネットワークが普及した時期。
そして、第3世代はこれから始まろうとしている時代で、クラウドコンピューティングやビックデータが中心となっていく時期。これがこの先20年は続くだろうと述べています。
この第3世代を引っ張る技術として、
- The Internet of Things
- Cognitive systems
- Pervasive robotics
- 3-D printing of all kinds
- Natural interfaces
- Optimized security technologies and solutions
といったものをあげており、こういったITを導入するために、2015年のIT投資は増加するだろうと述べています。
世界はITに投資していく
で、上記のような技術を中心に世界的にはIT投資が増加見込みだそうです。前年対比3.8% で増加らしいのですが、うらやましい限りです、ほんと。
いまうちで検討中の予算では、上記の技術のどれも来期の投資予算に含まれていないような。。。
うちのようなちっちゃな企業では、一旦削減対象になると、永遠にITコストを下げろという圧力がかかるわけで、こんなことしてたらなんにもできないよという状況にはまっていきます。競争力なくなりますよねぇ。
ほんと、こんな調子じゃ日本のIT産業全体が縮小していくんじゃないかと。
本来は、ITは競争優位のツールとして認識してもらわないといけないはずなのですが、それも厳しいのかも。
「IT = 単なるカネくい虫」みたいな扱いは避けたいですねぇ。。。