中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

予算は減らしたくない

 引き続き、お金のお話です。

 

 毎年、新年があけると恒例の来期予算の作成が始まります。

 

5年に一度のボーナス

 毎年厳しく予算削減を求められるシステム費用ですが、ことP/L(損益計算書)に関して言うと、5年に一度ボーナスが発生します。自社開発している大きなシステムが5年で償却がなくなり、翌年からガクッと経費が下がります。

 

 ITシステムにかかわるコストの大きなところであるソフトウェア資産は5年償却なので、6年目に入るとその負担がなくなります。ソフトウェアなんて5年経とうが、10年経とうが品質は劣化しないので、そのシステムを我慢して使い続ければ、P/Lの負担は5年以降軽くなります。

 

 また、サーバー等の機器についても、ソフトウェア償却にあわせて5年でリースしていることも多いので、これもやはり6年目に入ると負担がなくなります。

 

 ただ、サーバー等機器系については、6年、7年でかなり劣化し、故障率も上がるので、結局6年経過時点くらいで、システム入れ替えを行い、そこで、前回同等くらいの投資が発生し、そこから5年は以前と同じくらいの償却費負担が発生することになります。

 

 とは言え、6年目くらいは、サーバーの老朽化を我慢して利用し続けることができるので、その年度は資産償却がなくなり、かなりの経費発生が抑えられることになります。ちょっとしたボーナスです。

 

一度減らすと戻らない

 じゃあ、5年経過時点で「やった経費削減だ!」などいって、何もしないと、翌年以降、予算の基準がその金額になってしまいます。

 

 6年目は予算・実績ともに減って、経営層から喜ばれますが、その翌年に再度システムを入れ替えようとすると、当然「昨年からなんでこんなに増えるんだ?」とか、「今のシステム変える必要あるのか?」等々の抵抗にあいます。

 

 なんで、一時的に経費の減る年も、一時的に何か取り組みをして、あまり減りすぎないようにする必要があります。例えば、単年で計上できるコンサルを使うとか、備品やライセンス買うとか。

 

じゃあクラウド?

 そういったことを言っていると、ベンダーから「機器の入れ替えもないですし、予算管理も楽なクラウドはいかがでしょうか?」とのおすすめがきます。

 

 確かに、いいクラウド選ぶと保守含めて本当に楽になります。毎月定額のコストが発生し、機能も最新化され機器入れ替えも必要ないといいことづくめ(?)です。

 

 ということで、来期以降も着々とクラウド化を検討中です。ああ、こうやってベンダーに言われるがまま、コストがでていく。。。

 

(ソフトウェア関連の会計は、経理部門もあまり詳しくなかったりするので、勉強しておくのがおすすめです。)

ソフトウェア取引の会計・税務Q&A(第2版)

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研究開発費・ソフトウェア会計の実務 (会計実務ライブラリー)

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