日本企業に来て驚いたのが、敬称の使い方です。
敬称なんてくだらねぇ
若かりしころの働いた外資系やスタートアップはすべて、「さん」付けでした。上司はもちろん、社長であっても、「XXさん」です。
一社は、千人以上いる会社で、社長に直接あったことがなかったのですが、それでもいきなりメールで「XXさん」でOKでした。
よくも悪くも、上下関係は希薄で、仕事のできるやつ、仕事が取れるやつが上に行く感じではありました。なんで、逆にMBAとっていきなり上のポジションにきて使えないと、あからさまに馬鹿にされてしまう企業でもありました。
当時は、上司を敬称で呼ぶなんでばからしいとしか思っていませんでした。
日本企業のしきたり
日本企業に入社して、最初に言われたのが、専務へのメールに「XXさん」と書いたら直接上司の役員から呼び出され、
「前の会社とは違うんだよ、ちゃんと敬意を払った呼び方にするように」
と怒られました。自分で言うのもなんですが、良識性の高い人間だと信じているので(この辺は前回参照)それ以降は注意して、ほかの人のメールを見てみると、
「XX社長」
「XX副社長」
からスタートし、平取りは、当然、平取りさんというわけもなく
「XX取締役」
「XX重役」
となります。さらに注意深く観察していると、
「XX社長様」
「XX重役様」
というのもいて、そこまでいくとだんだん嫌気がさしてきます。
また、それなりに人数がいる会社なので、他部署の人も「XX様」で呼びます。で、ある時自分の部署のメンバーからも「XX様」でよばれたときには、さすがに勘弁してくれと、やめてもらうように言いましたが。
肩書が人をつくる?
でも、良いこともちょっとはあります。よく肩書が人をつくるといいますが、ほんとその通りと最近は感じます。
以前の会社は、実力主義的が強く、成果を出したら肩書がつくというのがあたりまえだったのですが、日本企業ではある程度逆の面も良く見かけます。
「なんであの人があのポジションに上がるんだ?」というのは、良く見かけることです。
でも、そんな人でも、「XX取締役」なんて呼ばれだすと良くも悪くも人が変わっていきます。
実力のない人は、その肩書におぼれ権威を振りかざすようになります。一方で、実力のある人は、その肩書に足りないことを認識してより成果を出すようになります。一長一短ではありますが、ひとつの人材育成手段として有効であるような気もします。
日本企業はこれまでこの方法で成功してきているのだから、中間管理職としては、それも一つのやりかたかと思い黙って従うだけです。自分も十分にマインドコントロールされたので、誰が上司に来ても大丈夫です。「さすが、XX部長」、「XX取締役しかできませんねぇ」、なんてのは簡単なことです。
あとは、少しでも物分かりの良い上司がくることを祈るばかりです。