中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

大学という不思議な組織1

もう10年近く前の話ですが、大学生をやっている時期がありました。

大学生といっても朝から晩まで悠悠自適な学生生活を満喫しているわけではなく、社会人大学院生として、昼はお仕事、夜と週末は大学生という、結構厳しい生活をおくっていました。

 

20代のころにふつうに大学通っていたときは全く気が付かなかったのですが、社会人になって大学生になってみると、大学という組織が不思議なことこの上なく。特に大学事務の行動は社会人からするとかなり意味不明でした。

 

何がしたいのかわからない

例えば昨年話題になった、某国立大学の学会経費精算の資料

togetter.com

 

なんと現地に行って、知らない人からサインをもらってこいということ。もし自分が求められたら決してサインしません。知らない人からサイン求められてするアホがどれほどいるのかと。もし、こんなの出されたら大学もしくは、その本人がどれほど疑われているのかと感じてしまいます。企業で学会に出張行ったからってまずこんなことはさせられません。

 

ちなみに、事務は基本お役所仕事です。資料が足りない、締切に遅れたら受け付けない等々、常に上から目線の対応です。特に現物・本人主義の徹底はかなりのもので、捺印したものを本人が事務に持っていかなくてはなりません。かといって事務所が夜まで空いているわけもなく、社会人が平日の昼に書類もっていかなければならず、こんなサービスレベルがあるのかと驚いたのを良く覚えています。


顧客は誰

なぜ、こんなことが起こるのか、それは事務方の顧客は学生でないからです。

 

30代で大学に戻って、自腹を切って通うと良く分かるのですが、大学内の身分階層の中で、学生は事務以下の扱いを受けます。確かに学生というと教えを乞うひよっこのイメージではありますが、実は学費という名のサービス料を支払う立派な顧客です。

事務方はその学費を元に給与をもらっているはずです。また、社会人学生なら税金も納めており、2重で学生に食わせてもらっている立場です。

でも、恐らく、学生=お客様という意識は全くないのではないかと思います。基本、大学(特に国立大学にとって)お客様は国であり、文科省であり、文科省の決めたラインにしたがって、きちっと書類をそろえるそれが事務の方々の行動規範なのかもしれません。

 

確かに、教授が威張るのは多少理解できます。それは教授しか持たないスキルや知識があり、それに教えを請うているわけですから、それはある程度仕方ないことかと。ただ、学生は事務に何かを学びたい分けではありません。単に効率よく、学業を進めるサポートをしてもらいたいだけです。

 

また、科研費という研究費があり、これは国が特定の研究に対して補助金をつけるものです。研究者は自分の研究を進めるために、申請し、めでたく審査に合格すれば、数百万円~の研究費が支給されます。

実は、この科研費全額が自由に使えるかというとそうでもないのです。まず、上納金として何割かが大学に取られます。まあ、これは間接費としていたしかないかという面もあります。

じゃあ残りは自由に使えるかというと、例によって事務がでてきます。あれはダメ、この資料がなければ支払わない等々、かなり利用に制約がかかります。研究の邪魔をしたいのではないかと思われるほどです。

 

頑張ってお金を稼いできて、その上前をはねられ、しかも残りを使おうとするとじゃまされるという、まあ、企業ではなかなか考えられない状況が発生します。

 

続く。

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