中間管理職は、マネジメントが考える新たな取り組み(思いつき?)の受け口とならなくてはなりません。常に、仕事を前向きに受け続ける必要があるのです。
こちらにも書きましたが、特にIT部門は、境界のあいまいな仕事が多数振ってきます。
誰がやるのか
最近では、IoTやらビックデータの関連案件が落ちてきます。
データの活用をもっと進めろ!これからはビックデータだ!
的な指示がしばしばやってきます。
やるのは良いですし、その方針にも大賛成です。ただ、誰がやるのか?
そもそもIT部門はコストセンターのため、余剰人員は抱えておらず、常に手いっぱいの状況です。更にいきなりビックデータと言われてもそんなスキルを持った人間はいません。
なんとなく理系っぽいからということで、データ分析など言われますが、ユーザー企業のIT部門なんて、文系も多いですし、統計学を学んだメンバーなんてほとんどいません。また、コーディングすら怪しい状況です。
なんで、
- 数千億件の購買データから機械学習を使って特徴量を見つけ出す
とかはまずできません。
- pythonでコードを組んで数億件ずつある複数データをJoinして分析する
も、無理でしょう。
そもそも、「検定ってなんですか」とか、「正規分布ってなんですか」のレベルです。
ですので、質、量ともに無理な訳です。
誰がどの程度必要なのか?
で、「人も足りないし、スキルもありません!」と、意見(言い訳)を述べると、かならず戻ってくるのが
どういったスキルを持つ人間が、どの程度必要なのか
コストはいくらで、収益性は見込めるのか
といったことです。
正直言って、それがわかっていれば困りません。あと、新しい取り組みで収益性が見えるわけありません。始めから儲かるのがわかっていたらみんなやってます。
人を入れてやってみないと何も見えてこないのですが、先に見通しを立てろと言われます。
見通し立てないと人は来ませんが、やってみないと見通しもたてられません。卵とにわとりです。
コンサルの登場
「人が足りません!」→「見通し立てろ!」
となったところで、実際はどうなるかというと、
わかりました、では期間を切ったプロジェクトを作り外部を使って様子を見ましょう。見通しもその後立てられるかと思います。
となります。
さあ、ここで頼りになるのが、究極の便利屋コンサルタントです。コンサルタントは大抵の場合なんでもできます(と言っている)。
先日まで業務改善やってただろうってコンサルティング会社がビックデータの専門家として提案書を出してきます。さすがです。
(思えば自分もCRMの専門家として提案書を作った記憶が。一回CRMパッケージ入れただけなのに。。。)
他に頼るあてもないので、コンサルに数か月のプロジェクトをお願いすることになります。でも、まあ新規分野なんて、2,3か月のプロジェクトで先が見える訳もありません。結局、きれいにまとまった報告書をマネジメントにプレゼンし、お茶を濁すことになります。
大抵は、マネジメントも「これだ!」という方向が決められるわけでもなく、「継続検討」的な状況に入ります。
IT部門としても積極的に絡むわけでもないので、通常業務に戻っていきます。
そうして何か月かした後で、
そういえばあれどうなってる?
と聞かれてときは、
引き続きコンサルと次のフェーズの交渉中です
と言いながら、ブームが去るのを祈るばかりです。(コンサルの方々へ、次のフェーズがなかなか始まらないとき、実は、やる気はないのですが、マネジメントの手前、交渉を続けなければ、ならないこともあります。ご注意ください)
まあ、こうやって新規ビジネスの大半はつぶれていくのでしょうね。
(Pythonでデータ分析しようとしている方にオススメです。データ分析の基礎とかは他の書籍で学んでおく必要があります。)
Pythonによるデータ分析入門 ―NumPy、pandasを使ったデータ処理
- 作者: Wes McKinney,小林儀匡,鈴木宏尚,瀬戸山雅人,滝口開資,野上大介
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2013/12/26
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (10件) を見る