この年になると部下もでき、若手と飲みにも行くわけです。最近は2次会はカラオケ。
「カラオケ行きましょうよ!歌ってくださいよ」
との誘いに、財布目当てだとわかりながらも行ってしまうわけです。
居心地の良いカラオケ
で、いざカラオケが始まると、20代前半の若手が、
「まずは、俺歌います!」
とか言いながら、場を盛り上げるわけです。
流れてくるのが、ミスチルの”CROSS ROAD”。
おじさんも知っている局です。これ大学のときだったかなぁとか言いながら、負けじと”innocent world”を歌いだします。
「いやー、知っている歌うたえてよかったよ。サカナサクションとか言われてもわかんないしねぇ」
とかいい気分にしてもらえます。加えて、”サカナクション”を言い間違えてもだれも突っ込みません。
居心地のよい時間が過ぎるわけです。
知らないだろその歌
しかしふと気が付くわけです。24歳の彼が、歌った"CROSS ROAD"は1993年の歌です。当時彼は、2歳な分けです。
聞いたことはほとんどないはずです。知らないだろその歌!
恐らくそれはわざわざ覚えたはずです。おやじを居心地よくするために。
むかしそれやったよ
かつて自分が20代のペイペイのころ、40代のおやじ世代の上司にカラオケに連れていかれ、さだまさしや、松山千春、オフコース、アリス等々を必死に歌った分けです。
おやじ世代が心地良くなるために、わざわざ彼らの知っている曲を覚えて、歌ったわけです。当時も、
「若いのにそんな曲しってんのか!」
とか言われ、
「親がこの曲すきだったんですよ」
など、適当に答えるわけです。本当は、接待のために覚えたにもかかわらず。
若手におやじ化を進められる
これと同じことをされる年代になったわけです。カラオケが心地良いわけです。それどころかいつもの会話も、心地良くなってくるわけです。
若手が、食い入るように自分の説教を聞いてくれます。
酒を飲めば、
「新卒の時どうだったんですか?話聞かせてください」
など言われ、悦に入ってながながとご高説を話してしまうわけです。
そうすると、
「若手にも人気の俺?」
とか、
「昔の上司とは違う、今時の上司」
とか、勘違いするわけです。その勘違いがどんどのおやじ化を進め、自分はイケテル上司と思っている一方で、若手は、
「あいつ話長いよな」
「説教うざいよな。時代変わっているのに」
とか影で言っているわけです。
だって、自分がそうだったじゃないですか。
いまが、真のおやじになってしまうかどうかの分かれ道かもしれません。
(まずは、若者を理解しましょう)