中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

職業選択の自由を

前回は、過労死等の問題を解決するために、労働時間の制限が進められていること。しかしながら、本質的には時間のコントロールするのではなく、働く人が辛く感じときに会社を柔軟に変えられる自由が必要なのではないか、という話でした。

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では、そんなに簡単に職場を変えられるのかというとそうでもなく。。。

 

極度の村社会

日本は極度な村社会です。

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日本企業を見渡せば、長時間労働に耐え続けた、村の長老が上層部についています。会社を転々として、キャリアのアップダウンを経験し、時にはフリーランスをやりながら、経営者として迎えられるなどというケースはまずないのです。

村の中で耐え抜き、評価されることが、村で生き残る唯一の手段なのです。

 

しかしながら、今年就職した人は、100年の人生をおくる可能性が高くなります。80歳近くまで働く必要があるのです。キャリア形成は今までよりも多様化するはずです。
20歳で就職し80歳まで働くとすれば、60年近く働くことになります。そうなると、60年間村が存続できるのか、それ自体が疑問です。一つの村にいようとしても、その村がなくなるかもしれないのです。

最初に入社した会社に丁稚奉公し、定年まで勤めて引退するという生き方が難しくなるはずです。

そういった中、「辞めたって次の仕事はいくらでもあるよ」、「いったん休んで、もういっかいキャリア考えても大丈夫」
と言える、社会を作る必要があるのだと思います。

 

もっと人材が流動化して、自由に会社を行き来できる労働環境を作る必要があります。本人の能力はあるのに、カルチャーが合わないことも多々あるので、そういった人が、別会社に移りやすくする、そういった取り組みを企業や政府が行うべきではないのかと。

ちなみに、今、各所で行っている過労死対策の議論は、企業中心なのでそういった議論は出てこないと思います。企業は、いかに使える人材を引き留め、使えない人材を外に出すかという発想です。そうなると使える人材が流動化するような施策は望まないわけです。

 

つらければ休める働き方を

日本特有の過労死を根本的になくすには、単に時間という単一の指標を議論するのではなく、心理的な負荷をどうしたら減らせるのか本質を考える必要があります。

確かに、時間制限で長時間労働は解決できるかもしれません。でも、次はハラスメントが問題になるかもしれません。上司からのプレッシャー、同僚からの嫌がらせ、こういったものは時間では解決できません。

結局、労働時間は一つの要素であり、上司が合わないなど様々な要素が働き手の心理的な負荷になるのかと思います。

自分に合わないそんな場合には職場や会社を変えられる。

そして国がキャリアチェンジをサポートするなどして、より多様なキャリア選択が可能な労働市場を作る必要があるのかと思います。

また、精神的に疲れたら休職したり、一時退職して休む。そしてその期間は、なんらかの生活の保障が受けられるといった、最低限の金銭的サポートも必要かもしれません。

 

それでも、日本企業の洗脳は恐ろしい

さて、自分を振り返ってみると、外資、ベンチャーと渡り歩き、今や日本企業で10年になりました。10年もいると村社会になじみすぎて、村を出るのが怖くなります。

隣の村では暮らせないのではないか。いじめられるのではないか、給料が安くなるのではないか、村を出ると迷惑がかかるのではない等々、何もかもが不安でいっぱいです。

いまさらUberのような外資系には転職できません。

Uberは想像以上にマッチョだった。ある女性元社員の告発|ギズモード・ジャパン

 

日本企業では、業務が明文化されていないこともあり、長くいればいるほど、企業の内部固有の知識が深まり、居心地がよくなります。一方で、社外で使える知識は減っていき、村の外には出られなくなってくるのです。

この日本の村社会の力は予想以上に強力です。気づいたら村から出られなくなってます。みなさんもお気を付けください。

 

(と言ってたら、パナソニックで出戻りになってました。でもレアケースです。

パナソニックがCEO表記導入、津賀社長がCEOに。MS樋口会長が専務役員 - AV Watch

 

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