中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

素晴らしき日本企業の社会構造

外資ベンチャーときて、日本企業にわたってきたのですが、まさか10年を超える期間を同じ会社で過ごすとは、全く想像していませんでした。これも日本企業が持つ企業内の社会構造のたまものかと。
 
 ある程度の規模の日本企業になると、その企業内で世界観というか、社会構造というかそういったなんとも言えないものが作られています。
 
 会社特有のルールがあり、道徳があり、それに従わないと生きていけないような気分になってきます。特に年を重ねポジションを上げるとその傾向は顕著になります。
 
 外資にいたときなどは、常に外の世界を見て、いつ、この狭い外資村で首になってもいいように、行動していたのですが、日本企業にくると、その社会で飼いならされて、徐々に外に出ていけない体質になっていきます。
 
 例えば、昇進とかも一種の社会に順応させるためのツールです。
 
 コンサルなんかだと、ConsultantがSenior Consultantになり、Managerになろうと、まあ、「昇進おめでとう」と同僚に言われる程度です。
 
 給料は上がりますが、それは他人からはわからないことです。
 
 しかし、日本企業にいると、「昇進おめでとう」は当然ですが、「XX課長」、「YY部長」など、役職付きで呼ばれるようになります。
 
 当然役職付きになるといままでと、社内の人間の態度が変わってきたりします。企業内の狭い社会でちょっとえらくなっただけなのですが、まるで、自分の市場価値が上がったかのような錯覚にとらわれます。
 
 さらに、ユーザー企業にいると、ベンダーから「XX部長ご昇進おめでとうございます。ぜひうちの重役と一席」みたいなあからさまな待遇改善が行われます。まあ、決済権限をある程度握るので当然といえば当然ですが。。。わかっちゃいるんですよ、「ZZ社のXX部長」であり、ZZ社外した瞬間にただの人になるわけです。そうなれば、ベンダーが一席なんてもうけてくれるわけもなく。
 
 それでも、徐々に自分の感覚がおかしくなってきます。企業内の狭い社会の肩書がなんとなく重要に感じてきて、その結果、企業内の社会ルールに従い、階層構造の上部を目指さなければならないように感じてきます。
 
 正直、若かりし頃は、「上司なんてたまたま年くってるだけだろ」、「MBAでただけでポジション高くで役にもたちゃしねぇ」みたいな感じでした。当然、接するときも、「XXマネージャー」なんては呼ばず、「XXさん!これおかしいですよ!」といった感じで強気な姿勢でコミュニケーションしてました。
 
 ところが、企業内の社会ルールが体にしみついてしまうと、「XX常務、おっしゃる通りです」なんて、わざとらしい言葉が平気ででてくることになります。
 
 いつの間にか、企業の社会構造に服従し、生き残るために無条件反射してしまいます。
 
 はて、昔の自分はどこへやら。
 
 でも、これってある意味すごい仕組みですよね。よくできてるなぁ、日本企業。
 

 (法人とは何かの定義から始まり、会社という存在について論じています。ロジックの展開は参考になります。)

会社はだれのものか

会社はだれのものか

 

 

 
ブログランキング・にほんブログ村へ