個人的趣味もあり、例によって天才関係の書籍です。
- 作者: マルコム・グラッドウェル,勝間和代
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/05/13
- メディア: ハードカバー
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ちょっと古いですが、マルコム・グラッドウェルの著書です。この人は、ビジネス絡みのサイエンス読み物を書いており、数多くのベストセラーを出版しています。
さて、いままでいくつか天才についての書籍は紹介してきたのですが、最近の流行は、「天才を作るのは遺伝だけじゃないよね。環境も重要だよね」という論調です。本書は特に環境(生まれた時期や土地、それによる好機)が重要ということを述べています。
1月生まれが集まるプロリーグ
まず初めにアイスホッケーリーグNHLのプロ選手の生年月日の話しから始まります。カナダのアイスホッケーの選抜チームを調べると、どのチームにおいても、
全選手の40%が1〜3月生まれ、30%が4〜6月生まれ、20%が7〜9月生まれ、10%が10〜12月生まれ
となっているそうです。
つまり、生まれた日付という才能とは全く関係のない要素がプロになれるかどうかに強く影響しているのではないかと。
生まれの差が好機の差を生む
この理由は単にカナダでは年齢を区切る期日を「1月1日」に設定していからです。
幼少期に年齢別のグループを作ると、1月生まれの子供は12月生まれの子供よりも、1年近く成長が進んでおり、体も大きく、トレーニング期間も長くなっています。
1月生まれの子は、その年代のチームでは目立つ存在になり、年代別の代表に選ばれたりします。代表に入れば、より良い指導が受けられ、より強いチームメートに恵まれ、さらに成長機会に恵まれます。
最初のうちは、単に生まれが早かっただけなのが、恵まれた環境の中で育つことで、本当に優れた選手となり、上位リーグに入っていきます。
ちなみに野球は、年齢の期日が7月31日となっており、メジャーリーグでは8月生まれの選手が圧倒的に多いとのことです。
好機が重要
この書籍では、才能よりも、生まれた年•月や、生まれた地域の文化といった環境要因が、天才を作り出すのに影響を与えていると言っています。
天才関係の書籍は他にも多々ありますが、最近は「環境要因も大事だよね」という論調が多いようです。そりゃ、「生まれたときの才能で100%決まる」なんて本はそう簡単に出版できないでしょうが。
ちなみに、自分の同年代を見回すと、海外ならちょっと下にイーロンマスクなど、1990年代後半インターネット創世記でチャンスをつかんだ人がたくさんいます。
そうなると、生まれた育った土地が日本だったのがダメでだったんでしょうね。アメリカ西海岸で生まれ育っていれば恐らく成功できたのに、言い訳したいところですが、日本の三木谷氏やホリエモン氏にも全く及ばないので、環境以前の問題ですね。
一万時間ルールも満たしてないので努力が足りないのか、それともそもそもの才能が足りないのか。。。
40代後半にもなると差がでますねぇ。
(本筋から外れますが、この本、なんとなく日本語が分かりにくいんです。直訳調が多いというか。文の前後の係りが分かりにくいというか。実は勝間和代氏が翻訳しているのですが、プロの翻訳者との差がでるんでしょうか。)
(こちらにも1万時間ルールでてきます)