中間管理職が勉強しないのはもう聞き飽きた感もありますが、それでもひどいという話。
アプリ開発1000万円
先日製造業の中堅企業のIT部門長兼総務部門長という方と話しました。で、その話の一つがスマホのアプリ開発の件。どうも社内で商品紹介のスマホアプリを開発せよという指令が下ったとのこと。
ゲーム形式で商品を紹介して、最後は自社ECサイトに誘導するというたぐいのものです。ページ遷移も数ページ、特に課金もある分けでもなく、至極単純な内容。画像のデザインは別発注でデザイナーに頼むという内容。それで出てきた開発費が1000万円を超え、驚きです。
この分野良く分からないから、社員の知り合いのソフト会社に頼むことにしたよ。担当者しっかりしてそうだし。
とのこと、社員のお友達に発注のようです。あきらかに素人相手にぼったくっている感じで、パッと見、うまくやれば200万円かからないなという内容ではありました。
ちょっとは勉強しよう
どうも周りの日本企業のおじさん達には、勉強しないめんどくさがりやが多くなっているような気がします。
知らない分野の話が出ると、限定的に話を聞いて判断する傾向が見受けれます。
本なんか読んで勉強しても意味ないよ、百聞は一見にしかずだよ
なんて言いますが、基本的にはちょっと知り合いベンダー呼んで話を聞くだけです。基本的な勉強もしません。
例えば、知らない分野の話がでたら、まずは「誰でもわかるXXX」みたいなのを買って、1,2冊読んでみればだいたいその分野の概要がわかります。
今回のケースでも、ちょっと勉強すれば、だいたいいくらくらいでできそうかは、検討がつきます。
アプリの話なら、「サルでもわかるアプリ開発」みたいなのとか、「1からできるアプリ開発」なんて読めば、だいたいどういったことが、どの程度の手間でできるかわかります。
さらに、「アプリで金儲け」的な本を読めば、いくらくらい投資して、どうやって収益化していくのか感覚がつかめます。
また、最近なら、ネットで情報が簡単に集められます。”アプリ開発”、”入門”なんていくらでもでてきますし、アプリの開発最低単価なんか、クラウドソーシングサイトで調べればすぐにわかります。
この程度の努力は、何もしらない分野でも最低限やるべきことではないかと、個人的には感じます。
友達に発注する前にやることがある
友達に発注するにせよ、まずは相見積りを取るのが第一歩です。それすら行わないというのはある意味、会社に対する背任行為みたいなものです。
そもそも、複数から見積りを取ることは、様々なメリットがあります。例えば、
・価格の不透明さが減る
一社だと、不明な作業項目が入っていても本当に必要かどうかわかりませんが、複数社見れば一瞬でわかります。そういった無駄な工数を積まれる可能性が減ります。
また、当然、あまりに高い単価などはすぐに見分けられます。
・分野全体の概観がわかる
複数社いるとそれぞれ特徴が違うことも多く、その分野のプレイヤーにどういった企業がいるのか、その差は何かといったことが見えてきます。また、何か聞けば喜んで教えてくれます。
等々、相見積りを取ることには意味があり、特に知らない分野には絶対に必要です。確かに手間はかかるのですが、最終的なアウトプットを上げる意味では、有効な方法ではあります。
何にせよ、相見積りも取らずに、いきなりお友達に発注するのはいかがなものかと言ったところです。
ちなみに、お友達に発注というのを、「癒着だ!」といった文脈で否定する気は全くありません。信頼できる友達なら、少なくとも途中で逃げ出さないし、ぼったくられる心配も少ないと思います。特に、自分がよく知っている分野では、お友達発注も決して悪くありません。
うちの会社でも、業務・ITコンサルは知り合いの知り合いに頼んだりします。この分野なら、プロジェクトのだいだいの工数や予算、タスクが把握できます。そういった前提のもと知り合い発注なら、変なこともしないだろうし、途中で逃げもしないだろう、また多少は安くなるだろうということで結構使ってます。ただ、直接知り合いだと最後に情が入ってしまうことも多いので、それを避けるためにも、知り合いの知り合いを使うなど、多少の工夫はいれています。
結局、楽をしたい
さて、やることと言っても、基本的な勉強をして、相見積りを取る、これくらいです。でも、実際には何もせず、お友達に発注するケースを結構見かけます。知らないこととなると、勉強もせず、手間もかけない、そんなおじさん達が多々います。
恐らく、会社のお金つかうのに、そこまで苦労したくないんですよね。苦労したって、さして給与変わらないし、首になるわけでもない。そういった人事制度に中にいると、ちょっとした未知の発注は、単なる面倒な作業になってします。そうなると、無駄な労力は省いて、結局、楽をしたくなるのかもしれません。
まあ、終身雇用の悪い面がこのあたりにでてるのかもしれません。