前回に引き続きプロジェクトの成功について、
ITシステム開発のプロジェクトは、その結果により成功・失敗の評価がなされます。某大手の雑誌では失敗プロジェクトを特集したりもしています。
では、成功・失敗はどのように決めればよいのでしょうか?
まあ、システムが動かないとなるとそれは確かに失敗かなと。ただ、システムがそれなりに動いている状況で、成功・失敗をどう評価すればよいのか、また評価する指標とは何かというのは、疑問が残ります。
古典的な評価の指標としては、コスト、スケジュール、品質があります。「コストが予算内に収まったか」、「スケジュールが予定通りカットオーバーできたか」、「品質が期待通りのものであったか」等を、勘案して評価を行います。昔のコンサルティング会社だと、この3つの指標を5段階評価してITシステムの評価を定量化しているようなこともありました。
この3指標の評価は、(ITに限定しない)プロジェクトの評価指標として1950年代から提唱されています。こんな図であらわされることも多々あります。
しかしながら、コスト、スケジュール、品質を何と比べるかは、難しい判断で、例えば「当初予算」と比較するとなると、「予算を死守して品質を落としたものがよいのいか」、「予算を超過しても品質が良いものがよいのか」こういった難しい評価が必要となってきます。
また、システムの品質は良いが、システム導入により人件費が膨らみ会社の収益が落ちた場合は、どう評価すればよいのかといった問題も残ります。
つまり、コスト、スケジュール、品質といった単純な指標ではITシステムの評価はできないということになります。
一般的にコスト、スケジュール、品質といった指標での判断は、プロジェクトの成功の定義の一部でしかないといわれており、Project Success(プロジェクトの成功)に対して、Project Management Success(プロジェクトマネジメントの成功)と呼ばれています。
Project Management Successは、Project Successのサブセットであるといわれています。
もう一回くらい続きます。
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