前回、ITの投資対効果について記載しましたが、実はこれは永遠の課題だったりします。 IT投資対効果の算出の議論は、延々と行われており、結論から言うとそんなもの出せません。
ITシステムを一つのリソースと考えれば、ITが生み出す効果を計算することは、人材が生み出す効果を計算するのとほとんど同じことです。
人材が生み出す効果を計算するのが困難なのは、人事評価を考えればわかるかと思います。会社の人事評価では、会社に貢献できる人材を評価したいわけですが、それは人の行動が将来にわたってもたらす収益や会社への影響を予測することであり、当然難しい問題です。実際は成果主義やプロセス評価やらと答えが無いなか悪戦苦闘しています。
ITの投資効果も結局同じことで、あるITシステムが、将来に渡りどの領域に効果が波及して企業にどのような収益向上をもたらすかは一般的に予測不能です。
ただし、ある種の制約条件を付ければ、部分的な投資効果の算定は可能です。例えば、「新たな会計システムを入れてどのくらい工数が削減されるか」といったことは十分に可能です。
しかしながら、「新たな会計システムが経営の見える化を行い、どの程度製品売上が向上するか」はおそらく算出困難です。これはたとえ予測したとしても「新しく雇った経営者がどの程度売上を上げるか」と同じ程度しかあてにならない予測です。
プロジェクトの成功の話から大分それましたが、続きます。。。