「ノマド」、「在宅勤務」では、イノベーションが起きない
チームラボ・猪子寿之:ヤフーもやめたでしょ。「ノマド」「在宅勤務」を禁止する理由 | BizCOLLEGE <日経BPnet>
チームラボの猪子社長の記事です。表題の通り、場所を一緒にしないとイノベーティブな仕事はできないとのことです。
まあ、なんとなく言っている意味はわかります。実際、自分の職場でもskypeやハングアウトを使ってテレビ会議をやることが多いのですが、コミュニケーションの情報量がFace to Face(FtoF)に比べて大きく損なわれることは感じます。特にアイデアを出すなどは、なかなかFtoFに比べると難しいのかもしれません。
不一致を無くすためにもFtoF
「競争」よりも「独占」で有名なこちらでも、FtoFコミュニケーションの話が少しでてきます。
パートタイムの社員もうまくいかない。遠隔地勤務も避けるべきだ。仲間が毎日同じ場所で四六時中一緒に働いていなければ、不一致が生まれやすくなる。
と言っています。
また、スタートアップの不一致は争いを呼び、その結果うまくいかなかくなるとも言っています。立ち上げ時期はお互いの意識合わせも必要なので、密なコミュニケーションが必須になるのかと思います。そうなると、やはりFtoFは重要なのかもしれません。
とは言え個人のモチベーションは?
とは言え、「遠隔勤務」、「在宅勤務」にもメリットはあるはずです。時間・場所の制約がなくなることで自由な働き方が可能になります。
もともとは、こういった働き方は、働く人の自立性を高め、モチベーションを上げ、更には創造的な仕事ができるのではないかと期待されていた一面もあります。
ダニエル・ピンクのこちらの書籍でも、働く人の時間やチームメンバー選択の自律性がモチベーションを上げると言っています。
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
- 出版社/メーカー: 講談社
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たとえば、オープンソースのソフトウェア開発などは、主要な作業は分散環境で行われています。
チームコミュニケーションを重視
FtoFは、個人に対しては、場所・時間を拘束し、大きな負担をかけるコミュニケーション手段です。決まった時間に同じ場所に集まるには、それぞれ環境の違うところから移動し、時間を調整する必要があります。移動時間を含めてのその人のリソースを利用していることになります。人数が増えれば増えるほど、多大なリソースを投入していることになります。
それでもFtoFの方が良いということは、結局、遠隔勤務による個人が生み出す価値よりも、FtoFによるグループが生み出す価値の方が、大きいということになるのかと。
つまり、グループとして働き創造的なアウトプットが必要な場合は、個人のモチベーションを重視するよりも、FtoFを通じてグループメンバー間のコミュニケーションを重視する方が、最終的に成果が上がるのかもしれません。
こういうことを言うと、「ほらやっぱり対面んで会議やらなきゃ」と言って会議が増えそうな気もしますが。。。