日本企業は終身雇用です。「いやいや最近は違うよ」という声もあるかと思いますが、外資にくらべればまだまだ終身雇用です。
そう簡単に首にならない
外資コンサルなんて、あっと言う間に首を切られます。新卒1年でいなくなるなんてザラです。雇われる側も慣れたもので「君そろそろ仕事ないよ」と評価時に言われれば、さっさと転職活動を始めます。
コンサルの場合は、早いうちに首を切られるか、やめた方がまだましで、15年コンサル一筋とかで突然首になると結構行き場に困ります。
さて、話を戻すと、日本企業は本当に優しいです。実績が上がらないくらいでは首になりません。また、多少悪いことやっても肩叩きくらいです。本人が絶対にやめないという気があればそのまま居座れます。
また中には、本当にどうにもならない人もいて、「エクセルとか開けないから仕事できませーん」とかいいながら仕事しないおじさんが生存していたりします。日中どこ行っているのかわかりませんが、ぷらぷらと出かけ仕事しているのかどうか怪しいもので、しかも交通費の精算はきちっと行うという。絶滅危惧種みたいなおじさんがまだまだ生存しています。
働く場所は選べない
とは言え日本企業ならではというのが異動です。結構、有無を言わさず異動がかけられます。
ある程度の役職の人でも、辞令の当日に異動が言い渡されたりします。なかには、休暇中で不在にしていたら、休暇明けに出社したら異動していたというケースも。
外資コンサルなんかは、プロジェクトが一つの所属のようなものですが、プロジェクト開始前に面談があり、参加の意向をある程度聞いてくれたりもします。できないやつはあっという間に首ですが、仕事さえできればそれなりの扱いを受けます。
日本企業の異動は結構激しくて、営業から経理、経理から販促等々、業務・業種を超えて激しく異動がかかります。これは、時に肩たたき人事であったりしますが、通常は終身雇用を前提とした教育です。様々な業務を覚え、各部にコネクションを作り、将来マネジメントになることを期待しているわけです。
異動は会社の優しさ
異動ですが、なかなか絶妙のタイミングで発令されます。第2新卒のころ、30中盤で仕事が少し楽になってきたころ、40歳超えて出世コースに乗るかというタイミング。こういったタイミングで、異動がかかります
当然、会社としても前向きな異動と、後ろ向きな異動があります。「こいつは将来の幹部候補だから営業だけど経理業務もわからせておこう」というようなケースや、「こいつどうにも営業に向かないから経理業務でつかえないかなぁ」というケースもあります。
また、社内の部署だけではなく、子会社に出向させられることもあります。大抵の場合、本社から子会社に行くとポジションが相対的に上になるので、マネジメントの勉強をさせることが目的だったりします。
どちらにせよ、本人がこれまで行っていた専門性とは違う部署に行くことも多々あります。そういったとき本人として、
「これまでの経験を捨てて新たなことを学ぶべきか」それとも、「違うところに行くくらいなら、別の会社で同じことやった方がよいのか」
といったことに悩みます。特にITの技術者が開発から管理側に回されるときも、会社としては次のステップと思い異動しているのですが、本人としては微妙です。
こういった場合、ときには転職活動を始めることもあります。最終的に転職に繋がらないかもしれませんが、転職活動を通じて、外のマーケットでの自分の価値を知ることになります。自分は一体何ができるのか、会社の給与は高いのか安いのか、等々。
多くの場合、日本企業は社員の会社特有の経験・知見・人脈に対して、給与をはらっているため、マーケットより高い給与をもらっています。転職活動は、そういったことを知る貴重な機会です。
また、転職活動を通じて、外の世界の人々と人脈を広げることもできます。
会社は意図してか意図せずかはわかりませんが、異動を通じて社員に自分を見直す機会を提示していることなります
社員は、異動がかかったときに、「あれだけやったのに、飛ばされた」とか、「この扱いはひどい」とか言っているだけでなく、絶好のタイミングと思って自分を見直すべきです。「外からみた自分の価値は」。そして、もしいい出会いがあれば転職もありなわけです。
当然、自分の価値がマーケットでそこまでないなら、当面文句言わず居座るか、自分の価値を上げるかしかないわけです。
確かに、左遷の異動も多いのかもしれませんが、異動は自分振り返える絶好の機会です。ある意味会社のやさしさかもしれません。
さて、自分はと言えば、この歳になると外のマーケットで戦える気もしないので、会社のいいなりです。文句言わず異動します。
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