中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

日本企業のすばらしさ、恐ろしさ

「これまでの働き方は、もう成り立たない」的な話が、ここのところ流行っていますが、それでも古典的日本企業は安定しています。

「東芝はどうなんだ、東電やJALだってこないだまでガタガタだったぞ」

確かに、いくつかの大企業がガタついているのは確かですが、それでも外資系やスタートアップで、普通に働いていても首切られていくのに比べれば、多くの日本企業は安泰です。

いつまで働けるのか

以前勤めた外資系、スタートアップなんて、いつまで働けるのか全く見通せない会社でした。外資は結果出せなければ、新卒一年目から肩をたたかれ退社していきます。

給与は自分の価値に対して払われるもので、出来れなければそれで終わり。会社が自分を守ってくれるなんてことはないし、単なる雇用契約で結びついているだけ。そう思っていました。

 

また、スタートアップに至っては、「今月、給与払えないかも」などということもざらでした。

 

ずっといて当たり前

ところが日本企業に転職してみると、これが驚くほど社員に優しい。自分の会社の社員はそう簡単に首にしません(できない)し、最近はパワハラもうるさくなってきているので、多少仕事で失敗してもさして怒られません。

また、年功序列・定期昇給は、依然としてなくなっていないので、給与も適当にやっていると上がっていきます。年を取るとそれなりにいい暮らしができるようになります。

ただ、その心地よい状況に浸っていると、あっという間に茹でガエルになってしまいます。自分の能力・価値ともらう給与がどんどん乖離していきます。

 

恐怖にとらわれて、自由を失う

朝日新聞社を辞めた、稲垣えみ子さんの『魂の退社』では、 

魂の退社

魂の退社

 

 高い給料、恵まれた立場に慣れきってしまうと、そこから離れることがどんどん難しくなる。そればかりか「もっともっと」と要求し、さらに恐ろしいのは、その境遇が少しでも損なわれることに恐怖や怒りを覚え始める。

と述べられています。

 

与えられることが当然になり、その環境でさらにもらいたいと考えだします。自分が会社に提供している価値は対して向上していないのに、より高い給与、より高いポジションを求めます。そして、ゴマをすったり、派閥に入ったりと、会社にしがみつき、そこから離れることを恐れるようになります。

さらにそれが、上手くいかなければ、上司や会社を批判します。「あいつらはわかってない」

 

稲垣さんは、

その結果どうなるか。自由な精神はどんどん失われ、恐怖と不安に人生を支配されかねない。

とも言っています。

 

「役員の怒りを買わないようにおとなしくしていよう。そうしたら部長になれるかも」

なんて考えだしたら、自由を失った社畜になってしまいます。若き日々に夢見た大人からどんどん離れていくのです。

 

さて、そろそろ40代半ばですが、
「ここでうまくやれば、最後は役員になれるんじゃないか。ここで役員に嫌われたら終わりだ。」

こういった思考が頭の片隅をかすめます。ここらが決断の時期かもしれません。今の生活を死守するか、新たな世界で戦うか。

 

40代も悩みが多いのです。

 

(独立する前にぜひ一読を)

魂の退社

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 (社畜になった人のために。社畜は社畜なりの生き方があります)

仮面社畜のススメ (一般書)

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