中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

若者が社長になりたくないのはあたり前

もう毎年のことなので、話題にもならなくなってきましたが、若手の上昇志向が年々低下しています。就活頑張って入社しても、社長になんかなりたくありません。 

mainichi.jp

 

「最近の若者は、やる気がない」

など、若者に責任をなすりつけるのは簡単ですが、若者ばかりが悪いわけではありません。日本の社長というポジションに魅力がなく、目指すにはリスクが高いのです。

 

社長になることのメリットがあまりに少ない

今やICTにより世界中の情報が手に入ります。地球の裏側の国の社長がいくらもらっているかも家のPCからわかります。

すぐ調べればわかりますが、日本の社長になることに金銭的なメリットは少ないです。海外であれば、数十億円クラスで報酬をもらうのがざらで、死ぬ気で働いで一度CEOになれば、あとはお金に困ることはないでしょう。

toyokeizai.net

 

例えば、この記事で紹介されている1位はトランスダイム・グループのコラス・ハウリー会長兼CEOの56億円です。あまり聞きなれない会社かもしれませんが、航空部品の会社で営業利益40%を超える優良企業です。

 

一方で日本と言えば、

toyokeizai.net

2015年の情報ですが、10億円越えが5名だそうです。ちなみに米国の300位は、食品小売りのクローガーの3億3306万円なのです。日本企業でこの金額を超えているのは20名強です。

 

日本企業は利益率が低いこともあり経営者に報酬が払えないのかもしれませんが、一方で日本では経営者に対して、高い倫理観を求められるというか、やっかみを受けるというか、そういった側面もあり、米国とくらべかなり低く年収が抑えられています。

一部上場企業でも、社長の年収が数千万円なんてのは恐らくざらです。

 

人一倍働いて、時には体を壊し、出世レースを競い、登り詰めてみたら数千万円では、そりゃやる気にもならないのではないかと。副業して稼いだ方がもっと確実に年収はあがりそうです。

 

能力ではなく、忠誠心が重要

また、経営者を目指そうとしたとしても、その道のりは困難です。

 

日本の経営者に着任できる平均年齢は、62歳です。もう引退間際です。

さらに、村社会で過ごしている人間がほとんどで、外部招聘はほとんどありません。

詳細はこちら 

blog.sme-itdept.com

 

また、日本の経営者は短期的な業績で更迭されることは少なく、長期にわたり在任している傾向があります。50年超えている会社もいくつかあります。経営者の在任期間がながければ、その分、席もあかず、経営者になれる可能性も減っていきます。

 

結局、22歳で入社し転職せず、会社一筋40年忠誠を誓えば、社長になれる可能性があります。しかもかなり低い確率で。

社長になるには村に忠誠を誓う必要がありますが、忠誠を誓えば誓うほど、他の世界には飛び出せなくなります。日本企業の社長を目指すのはキャリア的なリスクかなり高いと言わざるを得ません。

 

そもそも金銭的メリットもなく、社長になりたいと思っても40年忠誠を尽くさないとくじ引きにも参加できない。しかもどこかで社長になれないと気づいても、村生活が長く他の村にもいけない。

こんなんじゃ社長を目指そうなんて気にもそもそもなりません。というか、新入社員にそんなことは決して言えません。

 

若い人に社長を目指してほしいなら

若い人でも社長になりたい人は多分勝手に起業しています。最近は、資金調達も容易になっており、若手企業家が増えています。

そうではなく、普通に就活して入社する若者に社長を目指してほしいなら、会社側も施策を取る必要があると思います。 

 

さっさと席をあげて、若い人をどんどん上げていく。これから高齢化社会が訪れる日本としては、ほっといても、経営者は高齢化していくと思います。ですので、経営者は65歳で終わりとか決めるくらいでないと、ダメかもしれません。

 

一方で、上昇志向もなく経営者にならないで過ごしたい人には日本企業は最適です。それなりにやっていれば、首になることも少なく、定年までは居座れます。

 

日本企業は、いい年した社長を目指さないおじさんには、最適の環境なのかもしれません。。。

 

(でも、定年後の人生もかなり長くなっています。まじめにキャリアを考えないと60歳すぎて貧困層に突入です。) 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

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ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

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